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新聞の読み方教えます

新聞の読み方教えます。新聞を面白く読むためのニュースを紹介していきます。

別れ際

鳥取を離れる前に、祖父に挨拶をしてきた。僕は別に改まってする必要もないと思っていた。しかし母がどうしてもしていけと言うので挨拶に行った。

 

祖父は90歳を超える高齢だ。心臓の病気も持っている。次に会えるかどうかはわからない、とのことだった。

 

僕は人の死について淡白だ。身内を亡くしたことは何度かある。友達が突然逝ったこともある。けれども涙ひとつ流れなかった。遠くに行ったのだなあとしみじみ感じた。

 

祖父とウナギを食べた。祖父は「お前に重要なことを言っておく必要がある」と切り出した。いったいどんな秘密があるのだろうと、それにはびっくりした。大したことはない、銀行で役員をしていた祖父らしい、訓戒じみた激励だった。

 

歌うように節をつけて、しわがれごえを逞しく伸ばす、じいさんのしゃべり口調。しばらくじいさんは元気だな、と思った。死について淡白なはずなのに、それには安心している自分を見つけて意外だった。

 

様々な別れがある。全ての別れについて平等に淡白でありたい。